セピアの世界
○病院

母が
彼女のお母さんから
連絡をもらった。

それを聞いて
ボクは
ドキッとした。

いつでもいいので
来てほしいと。
こちらから
伺えなくて申し訳ないと。

ボクは
彼女にではなく、
母に付き添ってもらい。
小さな花束を持って
病院へ行った。

彼女とお母さんは
よく似ていた。
ただ
肌の色が
透けるように白かった。

ボクの選んだ花束を
とても喜んでくれた。

そして。

彼女のお母さんは
彼女の決意を
ボクに謝った。

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