その手が離せなくて
連絡も取りあう様になった。

平日の仕事の間だけ。

休日は連絡を取らない。

だから、クリスマスや長い長い年末休暇は地獄の様に感じた。


特に2人で決めたルールってわけじゃない。

それでも、家に帰ればきっと奥さんがいるだろうから。

私が勝手に決めたルール。

彼に迷惑はかけたくないし、これ以上深入りするのも怖かったから。


休みの日になる度に思い知らされる孤独感。

鳴るはずもない携帯を見つめては、何度も溜息を吐いた。

恋人達が楽しむ日は、私達の会えない日。


そういう事かと、理解した。

『不倫』という事は、こういう事かと。


決して一番になる事はない。

二番なのかも分からない。

確認する事が怖いから、ただ自分の胸に閉まって耐える。


それに、これ以上好きになるのが怖い。

傷つくのは自分だと分かっているから。

私が本気でも、相手が遊びだったと分かった瞬間、自分だけ惨めになるのはゴメンだ。

それでも――。
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