その手が離せなくて
「やぁっ」
限界を迎えて、荒い息の下で体をくねらせる。
ぎゅっと目を閉じた瞬間、彼が強く私を抱きしめた。
堕ちていく――。
どこまでも、どこまでも、堕ちていく。
頭が真っ白になった瞬間、彼も共に果てた。
「汗だく」
そう言って、私を抱きしめたまま荒い息をしている彼の髪を指でわける。
すると、顔を上げた彼が苦笑いを浮かべながら、私の胸にキスをした。
「あっつい」
「何か飲む?」
「ん、いや、大丈夫」
「風邪ひいちゃう」
再び私の胸に顔を埋めた彼の髪を一度撫でて、ソファの下に落ちていた服を彼の背中にかけた。