その手が離せなくて
さよならの先には
あれから一週間が過ぎた。
たぶん、一週間だったと思う。
あれから萌は、毎日の様に私に電話をしてくれた。
他愛もない事だけど、今日あった事や楽しかった事を話してくれる。
萌には感謝してもしきれない。
こんな私を見捨てないで、側にいてくれるんだから。
仕事はしている。
ただ淡々と、どこか虚ろに。
周りの人達はあからさまな態度は取らないにしろ、どこか壁を感じた。
軽蔑しているんだと思う。
でも、迷惑をかけている事は明らかだから、仕方のない事だと思う。
もう、ここに私の居場所はない。
コツコツと長い廊下を歩く。
目の前には、見慣れた会議室が見えて深い溜息を吐いた。
さっき部長に呼ばれた。
きっと、私の処分についてだと思う――。