その手が離せなくて
「えぇ!? 柚葉来てくれないのっ!?」


驚愕の表情を見せた萌に思わず笑ってしまう。

そのクリクリの瞳が更に真ん丸になったから。


「何度も言うけど、私彼氏いるから。っていうか萌、知ってるでしょ?」

「お願い!! 一緒にきて!! なかなかいい合コンみたいなのっ!!」

「え~」

「私も少し焦ってるの!! 出会いがないの!!」

「う~ん」


考え込む私の両手を取って、必死に訴えかける萌に苦笑いを浮かべる。

確かに化粧品会社で働く萌にとっては、出会いなんて皆無なんだろう。

この必死さは結構本気レベルと見た。


「・・・・・・ま、いっか。ここの料理美味しいって噂だし」

「柚葉っ!!」


まるでビームの様な萌の目力に押されて、思わず承諾してしまった。

昔から押しにはめっぽう弱い性格なんだよね、私って。

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