呆れるくらいに君が恋しい。
私は、教室から出ていく君を
ただ見つめてるしかなくて…。
「あーあ、ちょっと落ち込んでたね。」
いつの間にか隣に来ていた彩。
「わあーー!
どうしよう!どうしよう!どうしよう!?」
慌てる私を呆れたように見つめた彩は
「まあ、やるしかないんじゃん?
サプライズ放り投げなかっただけ
えらいえらい。」
そう言って私の頭を撫でる。
「ほら、寝るって言ってんだから
サプライズのチャンスじゃん。
行ってきな。」
背中をトンっと押されて
廊下に出た。
君の寝るところは大体予想がついてる。
とにかく静かで暖かいとこ。
誰にも見られない場所。
夏は裏庭の錆びたベンチ。
ちょうど太陽の光があたって
顔がくる位置には、木で影ができていて
寝やすいってそこが君の特等席だった。
でも今は2月。
まだまだ肌寒いなか、
外なんてきっと出ない。
どこかの空き教室か、
図書室、保健室あたりかな。
そう検討をつけて歩き出した。
とりあえず図書室に行ったところ
今年受験の人達が勉強して
ピリピリした雰囲気。
さすがにこんなところで寝るわけないって
引き返す。
保健室は、先生がいなくて閉まってた。
片っ端から空き教室を探して
やっと君の姿を見つける。
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