呆れるくらいに君が恋しい。
4階の一番端、錆びた『美術室』の文字。
そこは、旧美術室。
今は物置と化した空き教室で、
わざわざ入ろうとする人は誰もいない。
真っ黒なカーテンは全開で、
埃だらけのイメージだったそこは
意外にも綺麗に整頓されてる。
どこから持ってきたのか分からないソファ。
そこに横になっている君に静かに近づく。
「か、薫?寝てる?」
小さめの声で聞くが、起きる気配はない。
よし、寝てる!
そう思って
後ろ手に隠してたチョコが入ってる紙袋を
君の顔の横に置こうとして手を伸ばすと、
「なに。」
いつの間にか起きた君と目が合う。
「え、え、何でもな…」
バレる前に逃げようと焦ったせいか、
足元の本に気づかずに転びそうになる。
「わあ…!」
倒れる寸前、腕を引っ張られて
そのまま君の胸にぶつかる。
「何で逃げんの。」
ねぇ。
右手で掴まれた腕は離されることなく、
寧ろ、君の方に抱き寄せられる。
「俺に何しようとしてたかなんて、
知らないけど。」
開いていた方の左手が
私の背中を優しく伝って、腰に添えられる。
「イタズラしようとしてたなら、」
見上げた君の顔。
形の良い唇が弧を描いて。
「覚悟は出来てるよね?」
冷たく笑う。
前には君。
後ろは壁。
「何しようとしてたの?」
逃げられない状況。
「ち、ちがっ!」
「んー?何が違うの?」
逸らそうとした目は、
覗き込まれて逸らせなくさせる。
「イタズラ、じゃなくてっ!
あの、その、」
「んー?」
言い訳を許さないような目で
それでも顔は笑ったまま。
「…ちょこれーと」
「は?チョコ?」
あー、ここまできたのに…
「…チョコ、サプライズであげたかったの」
結局バレることになって落ち込んでると
「はぁ。可愛いことしてくるよな、お前は。」
そう言って私の目元にキスをした。
「恐がらせてごめんね。好きだよ。」
今日一番の笑顔の君は
優しく私を見つめて
そのまま、ソファに座らせられる。
チョコレートの包みを開けた君は
一粒とって口にいれる。
「…美味しい?」
少し不安になりながらも聞くと
「食べる?」
そう言って私の顔を掴んでキスをした。
甘い甘いチョコレート味のキス。
「どう?」
妖しく笑った君に
「…美味しいです。」
やっぱり今日も振り回される。
そこは、旧美術室。
今は物置と化した空き教室で、
わざわざ入ろうとする人は誰もいない。
真っ黒なカーテンは全開で、
埃だらけのイメージだったそこは
意外にも綺麗に整頓されてる。
どこから持ってきたのか分からないソファ。
そこに横になっている君に静かに近づく。
「か、薫?寝てる?」
小さめの声で聞くが、起きる気配はない。
よし、寝てる!
そう思って
後ろ手に隠してたチョコが入ってる紙袋を
君の顔の横に置こうとして手を伸ばすと、
「なに。」
いつの間にか起きた君と目が合う。
「え、え、何でもな…」
バレる前に逃げようと焦ったせいか、
足元の本に気づかずに転びそうになる。
「わあ…!」
倒れる寸前、腕を引っ張られて
そのまま君の胸にぶつかる。
「何で逃げんの。」
ねぇ。
右手で掴まれた腕は離されることなく、
寧ろ、君の方に抱き寄せられる。
「俺に何しようとしてたかなんて、
知らないけど。」
開いていた方の左手が
私の背中を優しく伝って、腰に添えられる。
「イタズラしようとしてたなら、」
見上げた君の顔。
形の良い唇が弧を描いて。
「覚悟は出来てるよね?」
冷たく笑う。
前には君。
後ろは壁。
「何しようとしてたの?」
逃げられない状況。
「ち、ちがっ!」
「んー?何が違うの?」
逸らそうとした目は、
覗き込まれて逸らせなくさせる。
「イタズラ、じゃなくてっ!
あの、その、」
「んー?」
言い訳を許さないような目で
それでも顔は笑ったまま。
「…ちょこれーと」
「は?チョコ?」
あー、ここまできたのに…
「…チョコ、サプライズであげたかったの」
結局バレることになって落ち込んでると
「はぁ。可愛いことしてくるよな、お前は。」
そう言って私の目元にキスをした。
「恐がらせてごめんね。好きだよ。」
今日一番の笑顔の君は
優しく私を見つめて
そのまま、ソファに座らせられる。
チョコレートの包みを開けた君は
一粒とって口にいれる。
「…美味しい?」
少し不安になりながらも聞くと
「食べる?」
そう言って私の顔を掴んでキスをした。
甘い甘いチョコレート味のキス。
「どう?」
妖しく笑った君に
「…美味しいです。」
やっぱり今日も振り回される。