呆れるくらいに君が恋しい。

水嶋 咲夜ver

彼女のことが気になり始めたのは
多分あの時だ。
誰もいない校舎裏。
潤んだ瞳。
唇を強く噛み締めて
声をかけたらきっと
泣いてしまうんじゃないかと思って
話しかけるのを躊躇した。
でも、君は空を見上げて
ニコッと微笑んだ。
「大丈夫、大丈夫。私はまだ、笑える。」
呪文のように小さく唱えた言葉は
深く、俺の心を突く。
“まだ、笑える”
“まだ、笑顔でいれる”
その言葉の裏には
“笑顔でいなきゃいけない”
そんな言葉が隠れているようで。
その日から彼女を目で追っていた。
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