クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ヘルミーネ様、恨みますぞ。貴方がフェルザー公爵を呼んだりしなければこのようなことにはならなかったのに」
「裏切っていながら何を言っているの?」
院長はヘルミーネ様から私に視線を向ける。
「そして公爵夫人。貴族が気まぐれで、この東側に目が向けたこと恨みますぞ」
院長の言い分は完全に逆恨みだ。
だけど彼は自分の罪は棚に上げて、本当に私達が悪いと思っている。
「ロイセンに逃げたんじゃないんですか?」
イザークが私を完全に背中に隠して、言う。
院長は顔を歪めて笑いながら答えた。
「その予定だったんだがな。外にはフェルザー公爵家の騎士が大勢いるんだよ。逃げ場が見当たらないほどに……お前の後ろにいるその姫のせいでな」
憎しみの篭った声に、思わずビクリとしてしまう。
「騎士達が公爵夫人の姿が見えないと騒ぎ出している。あの様子ではフェルザー公爵に知られるのも時間の問題だ」
「それでのこのここちらに戻って来たわけですか……ラウラ様を人質にでもするつもりですか?」
軽蔑したようなイザークの声。ハルトマン院長は怒鳴るように「そうだ」と肯定する。
「裏切っていながら何を言っているの?」
院長はヘルミーネ様から私に視線を向ける。
「そして公爵夫人。貴族が気まぐれで、この東側に目が向けたこと恨みますぞ」
院長の言い分は完全に逆恨みだ。
だけど彼は自分の罪は棚に上げて、本当に私達が悪いと思っている。
「ロイセンに逃げたんじゃないんですか?」
イザークが私を完全に背中に隠して、言う。
院長は顔を歪めて笑いながら答えた。
「その予定だったんだがな。外にはフェルザー公爵家の騎士が大勢いるんだよ。逃げ場が見当たらないほどに……お前の後ろにいるその姫のせいでな」
憎しみの篭った声に、思わずビクリとしてしまう。
「騎士達が公爵夫人の姿が見えないと騒ぎ出している。あの様子ではフェルザー公爵に知られるのも時間の問題だ」
「それでのこのここちらに戻って来たわけですか……ラウラ様を人質にでもするつもりですか?」
軽蔑したようなイザークの声。ハルトマン院長は怒鳴るように「そうだ」と肯定する。