クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「公爵夫人を捕らえろ!」
院長の声が響き、彼の部下達が向かって来る。その中にはラフスキーさんの姿も。
「ラウラ様、下がっていて」
イザークが剣を抜き身構える。
だけどこんな狭いところでは自由に動けないし、多数に無勢。
直ぐに負けてしまうだろう。
「イザーク、今は私が大人しく捕まったほうがいいわ。外には護衛騎士がいるのだから直ぐには逃げられないし」
「駄目です。うまく護衛の目をかいくぐって川に出られたら俺達には追いかける術がない」
イザークの言葉にはっとした。そうだ。ハルトマン院長が激流を進む術を持っていないとは言い切れないのだ。
「そう言うわけで下がってください」
イザークに言われるまま壁に近付く。
ヘルミーネ様は自力で椅子から降りたのか、身体を引き摺って壁に向かっている。
直ぐに高い金属音が響き、剣の応酬が始まった。
皆人質として相応しくないイザークには容赦がなく、次々剣を突きつけてくる。
彼はそれを上手く交わし、確実に相手を戦闘不能にしていく。
「……強いわね」
ヘルミーネ様がイザークを見つめたまま呟く。
私もそれには同意したけれど、でもこのままでは……。
何も出来ない自分を歯がゆく思っていると、イザークの身体がぐらりと揺れるのが見えた。
院長の声が響き、彼の部下達が向かって来る。その中にはラフスキーさんの姿も。
「ラウラ様、下がっていて」
イザークが剣を抜き身構える。
だけどこんな狭いところでは自由に動けないし、多数に無勢。
直ぐに負けてしまうだろう。
「イザーク、今は私が大人しく捕まったほうがいいわ。外には護衛騎士がいるのだから直ぐには逃げられないし」
「駄目です。うまく護衛の目をかいくぐって川に出られたら俺達には追いかける術がない」
イザークの言葉にはっとした。そうだ。ハルトマン院長が激流を進む術を持っていないとは言い切れないのだ。
「そう言うわけで下がってください」
イザークに言われるまま壁に近付く。
ヘルミーネ様は自力で椅子から降りたのか、身体を引き摺って壁に向かっている。
直ぐに高い金属音が響き、剣の応酬が始まった。
皆人質として相応しくないイザークには容赦がなく、次々剣を突きつけてくる。
彼はそれを上手く交わし、確実に相手を戦闘不能にしていく。
「……強いわね」
ヘルミーネ様がイザークを見つめたまま呟く。
私もそれには同意したけれど、でもこのままでは……。
何も出来ない自分を歯がゆく思っていると、イザークの身体がぐらりと揺れるのが見えた。