クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ハルトマンのこと、お聞きになりましたか?」

「少しですけど……やはりロイセンの関係者だったのですね、関係者はこれから裁判にかけられるそうですけど」

アレクセイ様から聞いた話では、今回の件はロイセン家の当主の子供達が中心となって行ったことで、当主のロイセン伯爵は預かり知らない事だったそうだ。

特産品がなく、ここ数年天候にも恵まれず財政に苦しんでいたロイセン家の跡取り兄弟は、豊かなフェルザー領に目をつけた。

当主変更をしたばかりのフェルザー領なら、地方の鉱山で多少の問題が起きても表に出ないだろうと思ったらしい。

初めは西側の協力者に採掘した鉱石を横流しさせていたので、その結果帳簿上採掘量が減る形になっていた。

けれど欲を出したロイセン家は、東側の鉱山にも目をつけ、欲ぶかいハルトマンを懐柔し東側の鉱石も横流しさせたそう。
ハルトマンはロイセン家の要請を受け、無理な採掘をしそのしわ寄せが子供達に回って来たということだ。
< 129 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop