クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「一番の望みは叶いませんしたが、こちらは必ずかなえます」
「一番の望み?」
強い彼女に叶わない願いなんてあるのだろうか。
「フェルザー公爵の側室になる夢」
「え?」
「はっきり、容赦無く断られましたわ」
私は驚き目を見開く。
「アレクセイ様に側室になりたいと言ったのですか?」
「はい。ですが検討する事も無く断られました。仮に私が代官になったとしても有り得ないそうです。私だけでなく側室は一切持たないともおっしゃってました、頑なですね」
ヘルミーネ様は寂しそうに笑って言う。
「正直申し上げて、ラウラ様にアレクセイ様が唯一とする程の何かがあるとは思えませんでした。ですが、私には無いものを持っていらっしゃるのも確か。なんの益もない孤児院のことに必死になるなんて私には出来ません。ですがそのおかげでロイセン家の企みを暴けたのですから、リンブルグを手助けすることは必要だったということでしょう」
「それは、偶然です」
「そうでしょうね、ですが結果だけ見ればラウラ様が正しかったといえます」
返す言葉が見つからなくて黙っていると、ヘルミーネ様は椅子から立ち上がり深く頭を下げた。
「ラウラ様、数々のご無礼申し訳有りませんでした。私が間違っていましたわ。利益だけを求めていても、リードルフを治めることは出来無いのですね」
「ヘルミーネ様……」
「これからもよろしくお願い致します」
「ええ」
「では、失礼致します」
ヘルミーネ様は颯爽と去っていく。
いつか彼女は立派な代官になる。そんな気がした。
「一番の望み?」
強い彼女に叶わない願いなんてあるのだろうか。
「フェルザー公爵の側室になる夢」
「え?」
「はっきり、容赦無く断られましたわ」
私は驚き目を見開く。
「アレクセイ様に側室になりたいと言ったのですか?」
「はい。ですが検討する事も無く断られました。仮に私が代官になったとしても有り得ないそうです。私だけでなく側室は一切持たないともおっしゃってました、頑なですね」
ヘルミーネ様は寂しそうに笑って言う。
「正直申し上げて、ラウラ様にアレクセイ様が唯一とする程の何かがあるとは思えませんでした。ですが、私には無いものを持っていらっしゃるのも確か。なんの益もない孤児院のことに必死になるなんて私には出来ません。ですがそのおかげでロイセン家の企みを暴けたのですから、リンブルグを手助けすることは必要だったということでしょう」
「それは、偶然です」
「そうでしょうね、ですが結果だけ見ればラウラ様が正しかったといえます」
返す言葉が見つからなくて黙っていると、ヘルミーネ様は椅子から立ち上がり深く頭を下げた。
「ラウラ様、数々のご無礼申し訳有りませんでした。私が間違っていましたわ。利益だけを求めていても、リードルフを治めることは出来無いのですね」
「ヘルミーネ様……」
「これからもよろしくお願い致します」
「ええ」
「では、失礼致します」
ヘルミーネ様は颯爽と去っていく。
いつか彼女は立派な代官になる。そんな気がした。