クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「それならどうして……」
アレクセイ様は理由を言おうとしたのか、口を開きかける。
でも思い直したのか、腕を伸ばし私を自身の胸に引き寄せ、離れないように抱きしめてきた。
「アレクセイ様……」
こんな風に意見を違えていても、アレクセイ様への気持ちは変わらない。
抱きしめられると、愛しさがこみ上げて来る。
大人しく腕の中に収まる私に安心したのか、アレクセイ様が耳元で囁いた。
「誤解しないでくれ。俺が誰よりも大切に思っているのは昔から変わらずラウラだ。大切な人の言葉を疑う訳がないだろう? それとも俺の気持ちはまだ伝わってないのか?」
「……いいえ、アレクセイ様が私を大切にしてくれているのは分かっています……ごめんなさい、それなのに私疑うような事を言ってしまって。アレクセイ様に私の気持ちを分かって貰えないことで悲しくなってしまったんです」
「ラウラの気持ちが分からない訳じゃないんだ。子供達の事も心配だ」
アレクセイ様の声はどこまでも優しい。