クールな公爵様のゆゆしき恋情2
アレクセイ様はフェルザー城、二階のテラスに朝食の席を用意してくれていた。

爽やかな朝の光が降り注ぐテラスは、美しい庭園が見下せる位置にあり、色とりどりの花を見て楽しむことが出来る。

広い庭園の先には整備された道と緑の森が広がっており、ここから見る事は出来ないけれどその先は大きな湖が太陽の光を受け、キラキラと輝いているはずだ。

用意された席に座り、うっとりと風景を眺めていると、アレクセイ様がやって来た。


「待たせてすまない、急な報告が有って遅れた」

アレクセイ様は申し訳無さそうな顔で言いながら、自分の席に着く。

「大丈夫です、景色を楽しんでいましたから」

微笑みながら答えると、アレクセイ様もほっとした様に口元を緩める。


アレクセイ様が着席したことで、食事が運ばれて来る。

柔らかそうな白いパン、湯気を立てた鴨肉、香草の良い香りが漂う白身魚。
野菜たっぷりのスープに、ふわふわとした卵料理に、色鮮やかな果物が数種類。

普段より豪華な食事は、アレクセイ様が特別に指示をして用意してくれたのかもしれない。

爽やかな朝の空気を感じながらふたり向き合って頂く朝食は、今までのどの朝食より美味しく感じる。

幸せをかみ締めているところ、若い男性が近付いて来た。
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