クールな公爵様のゆゆしき恋情2
アレクセイ様が淀みなく答えると、ヘルミーネ様の眉間にシワが寄る。
強く苛立っているのが見て取れるけれど、さすがにアレクセイ様に対して、それをぶつけることは出来ないようだ。
「……分りました。ですが私は余りお力添え出来ないかと思います。鉱山の問題が有りますし、私もハルトマンも孤児院に問題があるとは思えませんから……勿論ご命令がありましたら従いますが」
ヘルミーネ様は、全く乗り気では無い様子ながらも受け入れる姿勢を見せる。
アレクセイ様な内心どう考えているか分からないけれど、彼女に特に何かいう事はなく、私に向けて穏やかに告げた。
「ラウラに任せるが、あまり無理はするなよ。何か有ればすぐに相談して欲しい」
「はい。出来るだけ自分で対応出来るようにしますが、どうしようもない時は頼ります」
「ああ」
アレクセイ様は、私の言葉に満足そうに微笑む。
そんな私達をヘルミーネ様は険しい表情で見つめていた。