クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ラウラになにか問題が?」

「いえ、問題と言うほどでは……ただ少し気負いすぎている所があるようですわ。熱心なのは良いことなのでしょうが、こちらの状況をもう少し察して頂きたいのが本音です」

「……ラウラには知らせていない事が多い。リードルフの状況を正確に把握出来ていないとしても、それはラウラのせいじゃない」

アレクセイ様の声は低く、うんざりした気持ちが窺える溜息混じりだ。アレクセイ様にとって気が乗らない話題だと声だけで分かる。

だけどその内容は、私にとっては辛いものだった。

だって、アレクセイ様とヘルミーネ様が共有している情報を、私は殆ど知らされていないという事実を突きつけられたのだから。

アレクセイ様は、どうして私に大切なことを話してくれないのだろう。私は妻なのに……なぜ私ではなく、ヘルミーネ様に話すの?

心を重苦しくさせるその疑問は、タイミングよくヘルミーネ様の口から伝えられた。

「なぜ話さないのですか? ラウラ様はこちらの問題に、積極的に関与したがっているように見えましたが」

扉を隔てた先で、私は緊張しながらその答えを待っていた。
けれど、アレクセイ様が答えることはなく、部屋に沈黙が訪れる。
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