クールな公爵様のゆゆしき恋情2

少しすると、ヘルミーネ様が別の質問を口にした。

「ロイセンの件には関わらせないのに、リンブルグ孤児院への関与をとめないのはなぜですか?」

アレクセイ様はこの質問には答えた。

「……子供達の窮状を無視しする訳にはいかない」

「ですが、そもそもリンブルグ孤児院にそれ程大きな問題は有りません、ハルトマン院長は聖職者では有りますが父の忠実な部下でもありしっかりと勤めを果たしています。孤児院の子供達の不満はどこでもよくあることです。が、現実的に一般的な市民の子供と同程度の生活を与えるのは無理なのですから、我慢させるしかありません」

冷たさを感じる程、淡々と語るヘルミーネ様の言葉に、アレクセイ様は答えない。
ソファーにでも座ったのか、ギシリと軋む音が聞こえて来るだけだ。

「ラウラ様にも申し上げましたが、今は孤児などに労力を割いている余裕は有りません、アレクセイ様からもあまり無茶なことはしないよう話を……」

ヘルミーネ様はそこまで言いかけたのだけれど、突然言葉をとめ、それから一段声を高くして言った。
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