クールな公爵様のゆゆしき恋情2
ラフスキーさんの言葉を聞きながら、私は周囲を改めて見回した。

確かに、西側の鉱山にあったような施設が見当たらない。

同じリードルフ地方でも、西側と東側で格差があると言うことだろうか。

確か、西側の川の流れを利用して鉱物を運ぶらしいから、川から遠い東側は栄えない?

「事情は分りました。でも発掘した鉱物はかなり重いのではありませんか? 子供に任せて大丈夫なのでしょうか?」

「確かにかなりの重量があります。でも運搬係は常に不足していて子供達に任せるしかないんです。それに子供に出来る仕事は他にありませんし……」

「精製の施設の雑用とかは?」

「ここには精製施設はありません。選鉱した鉱物を精製しない状態で出荷します」

「そう……」

そうなると確かに、子供に任せられるような仕事は少ないだろう。

それに機械が充実していない状態なら、運搬の人手が沢山必要だと言うことも分かる。

だけど、子供達に無理な労働をさせるのは、駄目だ。

まずは実際の様子を見て判断しよう。

「ラフスキーさん、子供達と話したいのだけれど、休憩時間はいつですか?」


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