クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「休憩の時間は決まっていません。各現場責任者が様子を見て休憩させるので」

「では、今日は何時頃になるかその責任者に確認してください。それまで待っていますので」

「いえ、公爵夫人をお待たせする訳には……直ぐに休憩できるか確認してきます」

ラフスキーさんはそう言うなり駆け出した。

彼が地下の入り口に入って行くと、アンナがそっと耳打ちして来た。

「休憩時間が決まっていないなんて、随分な扱いですね」

私も同じ感想だったので、頷く。

「本当に……そもそもしっかり休憩時間はとれるのかしら? こんなに重労働なのに」

「怪しいですよね。忙しかったら休憩無しもあるかもしれませんよ」

「まさか……」

いくらなんでも無しってことはないと信じたいけど。

アンナとあれこれ話していると、地下に降りていたラフスキーさんが戻って来た。

「公爵夫人、直ぐに子供達をこちらに連れて来るように指示しました。もう少々お待ちください」

「分りました。ありがとう」

ラフスキーさんはほっとした表情を浮かべ、少し離れたところに移動した。

どうやら私がいる間は一定の距離をおきながらも、側にいるつもりらしい。

「ラウラ奥様が来たから無理矢理休憩時間にしたんですよ」

「そうね……」


< 84 / 133 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop