クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「ラウラ奥様、恐い顔をしてどうしたんですか?」
いつの間にか、眉間にシワが寄ってしまっていたようで、アンナが不思議そうに私を見ていた。
「この資料の数字が不思議だから考えていたの」
「不思議? 何がですか?」
アンナが私の手元の資料を覗き込む。
「……数字ばっかり。わけが分りません、ラウラ奥様は何が気になるんですか?」
資料を読み解く事は諦めたのか、アンナは私を見つめて言う。
「この資料はね、リードルフからの月ごとの納税額が記載されているのだけど、ここ半年程金額が減って来ているのよ。何か問題があるのかしら?」
アンナは深く考えることを放棄しているようで、ろく悩みもせずに肩をすくめて言った。
「公爵閣下に聞くのが早いんじゃないですか? それかマイヤー夫人に聞くかですよね」
諦めの速さに呆れたけれど、アンナよりはこの手の教育を受けていないのだから仕方が無いか。
「アンナの言う通りね、アレクセイ様の時間がありそうな時に伺ってみるわ」
マイヤー夫人には……遠慮しておこう。
リードルフの事を聞いたはずが、フェルザー公爵夫人の心得に、講義内容が変化してしまいそうな気がするから。
と言ってもアレクセイ様はここ数日とても忙しそうで、朝早くに公務に出たきり、夜中まで私室に戻って来ない。夜はとても疲れている様子でベッドに入ると直ぐに眠ってしまう。
何もせずに寝てしまうなんて結婚以来始めてのこと。
そんな状況だから、質問攻めで煩わせることは出来なくて、結局、視察に出発する日まで、私の疑問は解消されないままだった。
いつの間にか、眉間にシワが寄ってしまっていたようで、アンナが不思議そうに私を見ていた。
「この資料の数字が不思議だから考えていたの」
「不思議? 何がですか?」
アンナが私の手元の資料を覗き込む。
「……数字ばっかり。わけが分りません、ラウラ奥様は何が気になるんですか?」
資料を読み解く事は諦めたのか、アンナは私を見つめて言う。
「この資料はね、リードルフからの月ごとの納税額が記載されているのだけど、ここ半年程金額が減って来ているのよ。何か問題があるのかしら?」
アンナは深く考えることを放棄しているようで、ろく悩みもせずに肩をすくめて言った。
「公爵閣下に聞くのが早いんじゃないですか? それかマイヤー夫人に聞くかですよね」
諦めの速さに呆れたけれど、アンナよりはこの手の教育を受けていないのだから仕方が無いか。
「アンナの言う通りね、アレクセイ様の時間がありそうな時に伺ってみるわ」
マイヤー夫人には……遠慮しておこう。
リードルフの事を聞いたはずが、フェルザー公爵夫人の心得に、講義内容が変化してしまいそうな気がするから。
と言ってもアレクセイ様はここ数日とても忙しそうで、朝早くに公務に出たきり、夜中まで私室に戻って来ない。夜はとても疲れている様子でベッドに入ると直ぐに眠ってしまう。
何もせずに寝てしまうなんて結婚以来始めてのこと。
そんな状況だから、質問攻めで煩わせることは出来なくて、結局、視察に出発する日まで、私の疑問は解消されないままだった。