クールな公爵様のゆゆしき恋情2
「いろいろと変だわ」
思わず呟くと、イザークが「何が?」と首を傾げる。
「具体的には分らないけど、リンブルグ孤児院だけじゃなくてこの東地域自体がおかしいのかもしれない……ハルトマン院長に説明を求めるわ」
ラフスキーさんの話だと孤児院もこの鉱山も全てハルトマン院長が管理しているという事だから、彼なら状況を把握しているはずだ。
だけど、イザークは初めて深刻そうに顔を曇らせ、強い口調で言った。
「それは止めておいた方がいいですよ」
「……どうして?」
「ハルトマン様がラウラ様の疑問に正直に答えるとは思えないし、黒い噂もある人だから危険があるかもしれない」
「黒い噂? でもハルトマン院長は聖職者でしょう?」
子供達に対して非常な人だというのは分かったけれど、私たち大人にとっても危険な相手とは思えない。
驚く私にイザークは苦笑いを浮かべて言う。
「聖職者だからって聖人とは限らないでしょう? ハルトマン様の強欲さはここら辺の住民の間では有名ですよ」
「もちろん聖人とは思っていないけど、でも、ヘルミーネ様がハルトマン院長の事をとても信頼していて……」
「ヘルミーネ様? ああ、ヒルト家のお嬢様ですか……稀に視察に来る事があるけど、東側のことはあまり興味が無いみたいで、おざなりな視察で帰ってしまいますよ。そんなんでハルトマン様の人柄が分るはずが無いと思いますけどね」
イザークはヘルミーネ様の事を知ってるようだ。
どこか馬鹿にしたような口ぶりなところから、彼女に大してあまり好印象は持っていないのかもしれない。
思わず呟くと、イザークが「何が?」と首を傾げる。
「具体的には分らないけど、リンブルグ孤児院だけじゃなくてこの東地域自体がおかしいのかもしれない……ハルトマン院長に説明を求めるわ」
ラフスキーさんの話だと孤児院もこの鉱山も全てハルトマン院長が管理しているという事だから、彼なら状況を把握しているはずだ。
だけど、イザークは初めて深刻そうに顔を曇らせ、強い口調で言った。
「それは止めておいた方がいいですよ」
「……どうして?」
「ハルトマン様がラウラ様の疑問に正直に答えるとは思えないし、黒い噂もある人だから危険があるかもしれない」
「黒い噂? でもハルトマン院長は聖職者でしょう?」
子供達に対して非常な人だというのは分かったけれど、私たち大人にとっても危険な相手とは思えない。
驚く私にイザークは苦笑いを浮かべて言う。
「聖職者だからって聖人とは限らないでしょう? ハルトマン様の強欲さはここら辺の住民の間では有名ですよ」
「もちろん聖人とは思っていないけど、でも、ヘルミーネ様がハルトマン院長の事をとても信頼していて……」
「ヘルミーネ様? ああ、ヒルト家のお嬢様ですか……稀に視察に来る事があるけど、東側のことはあまり興味が無いみたいで、おざなりな視察で帰ってしまいますよ。そんなんでハルトマン様の人柄が分るはずが無いと思いますけどね」
イザークはヘルミーネ様の事を知ってるようだ。
どこか馬鹿にしたような口ぶりなところから、彼女に大してあまり好印象は持っていないのかもしれない。