クリスマスLOVE【オムニバス短編集】
「……温泉? 本当に?……二人だけで?」
「ああ…」
照れ隠しのようにぼそりと答えるのに、
「ありがとう…」
と、ギュッと抱きついた。
ずっと忙しそうだった部長が、自分のためにそんな風に時間を取ってくれたことが、とても嬉しかった。
……同時に、無理をしてくれたんじゃないかとも思う。
「……大変だったでしょ?」
訊くと、
「……たまには、いいだろ」
と、優しげに笑って、手の平で頭を撫でられた。