クリスマスLOVE【オムニバス短編集】
「はい、こちらの書類にサインをお願いします」
渡された紙面に目を通して、書名をして返すと、
「……社長、なんだか楽しそうでしたね?」
言われて、ふふっと小さく笑われた。
「…あ、」
言ったきり、上手い返しができずに黙り込むのに、
「……もうすぐ、クリスマスイヴですからね…」
見透かしたようにも彼女は言って、
「どうぞ、良いイヴをお過ごしくださいね」
と、笑顔を向けた。
「…ああ、ありがとう……」
照れくさくなりながら応えて、赤くなりそうな顔に頬づえをついて隠したーー。