強引ドクターの蜜恋処方箋
手早く着がえ、急ぎ足でエレベーターに乗り込み1階のボタンを押した。

エレベーターがゆっくりと動き出す。

腕時計を見ると、待ち合わせの時間に近づいていた。

『チン』と音が響き1階に着いた。

エレベーターの扉は開いているのに、さっきの松井さんの少し寂しそうな目を思い出して、しばらく動けなくなる。

胸の辺りが鈍く痛む。

何やってんだろう、私。

気を取り直してエレベーターから出ると、待ち合わせのホテルまで走った。

冷たい夜風が私の熱く火照った体を冷ましていく。



< 36 / 114 >

この作品をシェア

pagetop