強引ドクターの蜜恋処方箋
久しぶりに二人でテーブルを挟んで晩御飯を食べていた。
「どう?少しは慣れてきた?」
「ええ、まだ緊張してますけど・・・でも、何もかもが初めてのことばかりで面白いです」
「そういう前向きなところがチナツらしい。っていうか、楽天的なところって言った方がいいかな?」
「前向きと楽天的って全く意味合いが違ってきますよ。楽天的は余計です」
私の返した言葉に笑っている雄馬さんに尋ねた。
「雄馬さんは?」
「うん、日々勉強、日々充実してるよ。でもやることが山積みでやってもやっても終わらない」
「いつも先に寝ちゃってごめんなさい」
「チナツは疲れてるだろうし気にせず先に寝てくれて構わないよ。帰宅はいつも0時過ぎるんだから。今日は周りの研修医達に気付かれないようにこっそり帰って来たんだよね。俺だってたまにはチナツと晩御飯くらい一緒に食べたい」
時計に目をやると、もう22時前だった。
早く帰れてもこんな時間まで働かないといけない研修医の大変さを思う。
「最近お昼間にゆっくり会ってないですね」
私は少し冷たくなった餃子を口に入れながら思い切って言ってみた。
「そうだな」
雄馬さんはビールを片手に、テーブルを肘についたまましばらく何かを考えているようだった。
本当はもっと長い時間会っていたいし、もっと触れていたいのに・・・。
でも、そんなこと今の状況を見ていたら言えるはずもなかった。
一緒に暮らしてるのに、時々雄馬さんが遠く感じる。
「せっかく早く帰れた日くらい早めに寝て下さい。もう少し今の生活に余裕ができたら、きっと一緒に過ごせる時間も増えるはずだから」
自分自信に必死に言い聞かせるように言った。
「チナツは明日は看護学校休みだよな?」
「はい。でも雄馬さんは明日も土曜勤務なんでしょ?」
「ああ。それはそうなんだけど、明日のお昼病院に来れない?」
「え?」
思いがけない提案に餃子に伸ばした手を止めた。
「お昼休みの小一時間ほどしか時間ないんだけど、もしチナツさえよければ一緒にお昼食べよう」
気持ちが一気に明るくなっていく私ってほんとに単純だと思いながら、必死になって少しでも二人で会える時間を探してくれている雄馬さんに心が振るえた。
「・・・行きます」
小さく答えた。
「よかった。じゃ、12時にT大学病院の中庭、わかる?中庭に時計台があるんだけどその下のベンチで待ち合わせよう」
「雄馬さんはお昼ご飯はどうするんですか?」
「院内のコンビニで、なにか買っておくよ」
そうなんだ・・・普段からちゃんとした食事とってないのに。
「どうせ私も食べなくちゃならないし、雄馬さんの分のお弁当作っていきます」
「まじで?」
雄馬は目を見開いて嬉しそうに言った。
「じゃ、ハンバーグでお願いします。」
妙に改まった口調でおどける雄馬さんに思わず笑ってしまう。
「ハンバーグがご所望?好きなんですか?」
「ああ、大好物」
「じゃ、お弁当はハンバーグにしますね」
「ありがとう。楽しみに明日のお昼待ってる」
これまでは、私も忙しくてなかなか料理の腕を振るってあげる機会もなかったから。
お弁当を作って届けるっていうのもありなんだって。嬉しい発見だった。
私はウキウキしながら、食べ終えたお皿をキッチンに運んだ。
雄馬さんも自分のお皿をキッチンに運んでくれた。
「チナツ」
そう言うと、お皿を洗っている私の背後から抱きしめてきた。
こうやって抱きしめられるのも久しぶりのような気がする。
彼の胸の温もりと鼓動が背中に伝わってくる。
そしてその唇が私の首筋を優しく這う。
「だめですよ。お皿洗わなくちゃ・・・」
そう言い掛けた時、雄馬さんに唇を塞がれた。
その手が私の敏感な部分を優しくなぞっていく。
「チナツが欲しい」
雄馬さんの熱い吐息が私の耳にかかる。
私は彼の首に自分の腕を絡めた。
そのまま寝室のベッドに倒れ込み何度も求め合う。
会えなかった時間を埋めるように。
「早く寝なきゃ」って言いながら、雄馬さんが求める熱い抱擁に体中の細胞が沸き立ち抗うことができなかった。
「どう?少しは慣れてきた?」
「ええ、まだ緊張してますけど・・・でも、何もかもが初めてのことばかりで面白いです」
「そういう前向きなところがチナツらしい。っていうか、楽天的なところって言った方がいいかな?」
「前向きと楽天的って全く意味合いが違ってきますよ。楽天的は余計です」
私の返した言葉に笑っている雄馬さんに尋ねた。
「雄馬さんは?」
「うん、日々勉強、日々充実してるよ。でもやることが山積みでやってもやっても終わらない」
「いつも先に寝ちゃってごめんなさい」
「チナツは疲れてるだろうし気にせず先に寝てくれて構わないよ。帰宅はいつも0時過ぎるんだから。今日は周りの研修医達に気付かれないようにこっそり帰って来たんだよね。俺だってたまにはチナツと晩御飯くらい一緒に食べたい」
時計に目をやると、もう22時前だった。
早く帰れてもこんな時間まで働かないといけない研修医の大変さを思う。
「最近お昼間にゆっくり会ってないですね」
私は少し冷たくなった餃子を口に入れながら思い切って言ってみた。
「そうだな」
雄馬さんはビールを片手に、テーブルを肘についたまましばらく何かを考えているようだった。
本当はもっと長い時間会っていたいし、もっと触れていたいのに・・・。
でも、そんなこと今の状況を見ていたら言えるはずもなかった。
一緒に暮らしてるのに、時々雄馬さんが遠く感じる。
「せっかく早く帰れた日くらい早めに寝て下さい。もう少し今の生活に余裕ができたら、きっと一緒に過ごせる時間も増えるはずだから」
自分自信に必死に言い聞かせるように言った。
「チナツは明日は看護学校休みだよな?」
「はい。でも雄馬さんは明日も土曜勤務なんでしょ?」
「ああ。それはそうなんだけど、明日のお昼病院に来れない?」
「え?」
思いがけない提案に餃子に伸ばした手を止めた。
「お昼休みの小一時間ほどしか時間ないんだけど、もしチナツさえよければ一緒にお昼食べよう」
気持ちが一気に明るくなっていく私ってほんとに単純だと思いながら、必死になって少しでも二人で会える時間を探してくれている雄馬さんに心が振るえた。
「・・・行きます」
小さく答えた。
「よかった。じゃ、12時にT大学病院の中庭、わかる?中庭に時計台があるんだけどその下のベンチで待ち合わせよう」
「雄馬さんはお昼ご飯はどうするんですか?」
「院内のコンビニで、なにか買っておくよ」
そうなんだ・・・普段からちゃんとした食事とってないのに。
「どうせ私も食べなくちゃならないし、雄馬さんの分のお弁当作っていきます」
「まじで?」
雄馬は目を見開いて嬉しそうに言った。
「じゃ、ハンバーグでお願いします。」
妙に改まった口調でおどける雄馬さんに思わず笑ってしまう。
「ハンバーグがご所望?好きなんですか?」
「ああ、大好物」
「じゃ、お弁当はハンバーグにしますね」
「ありがとう。楽しみに明日のお昼待ってる」
これまでは、私も忙しくてなかなか料理の腕を振るってあげる機会もなかったから。
お弁当を作って届けるっていうのもありなんだって。嬉しい発見だった。
私はウキウキしながら、食べ終えたお皿をキッチンに運んだ。
雄馬さんも自分のお皿をキッチンに運んでくれた。
「チナツ」
そう言うと、お皿を洗っている私の背後から抱きしめてきた。
こうやって抱きしめられるのも久しぶりのような気がする。
彼の胸の温もりと鼓動が背中に伝わってくる。
そしてその唇が私の首筋を優しく這う。
「だめですよ。お皿洗わなくちゃ・・・」
そう言い掛けた時、雄馬さんに唇を塞がれた。
その手が私の敏感な部分を優しくなぞっていく。
「チナツが欲しい」
雄馬さんの熱い吐息が私の耳にかかる。
私は彼の首に自分の腕を絡めた。
そのまま寝室のベッドに倒れ込み何度も求め合う。
会えなかった時間を埋めるように。
「早く寝なきゃ」って言いながら、雄馬さんが求める熱い抱擁に体中の細胞が沸き立ち抗うことができなかった。