強引ドクターの蜜恋処方箋
翌朝、開店と同時にスーパーで挽肉を買ってきて、ハンバーグを焼いた。
ハンバーグの上には目玉焼き。
きっと普段ちゃんと食べてないなら野菜不足だろうと、ブロッコリーとニンジングラッセを添えた。
ロコモコ風弁当を二つ作って弁当用バッグに詰める。
誰かにお弁当作るなんて、正直初めてだった。
おいしいって言ってくれるかなんてどうでもいい。
2人で一緒にお弁当を食べれるっていうことに胸が高鳴っていた。
待ち合わせの12時よりも随分早く到着する。
T大学病院は全国区の病院で、有名な医師がたくさんいるらしい。
土曜日だというのに、入院患者のお見舞いなのか、予約診があるからなのか、たくさんの人達が病院を出入りしている。
雄馬さんと待ち合わせの時計台のベンチを見つける。
幸い誰も座っていない。
ベンチにお弁当のバッグをそっと置いて、その横に座った。
春の花たちがベンチの周りを彩っている。
ひとひらの花びらが私の膝の上に舞い降りてきた。
ハナミズキ?
そばにはハナミズキの木が何本か植わっていて、薄ピンク色の繊細な色をした花びらが時々風に舞っていた。
そっと目をつむる。
暖かい日差しの温もりが私の背中に降り注いでくる。
気持ちいい。
その温もりを感じていたら、誰かの足音がゆっくりと近づいてきた。
雄馬さん?
そっと目を開けると、太陽光線のまぶしさで目が一瞬目がくらむ。
大きな人影が見える。
だんだんとその姿が鮮明になってきて。
「チナツ」
そこには初めて見る白衣を着た雄馬さんが立っていた。
白衣を着た雄馬さんは一層大きく見え、美しい姿が引き立っていた。
「これ、ひょっとして作ってくれたお弁当?」
ベンチに置かれたお弁当のバッグを持ち上げると、もう片方の手で私の手を掴み、
「こっち来て」
と言って病棟の方へ向かった。
てっきりベンチで食べるかと思っていた私は少し戸惑いながらも手を引かれその背中を追った。
雄馬さんは病棟の関係者専用入口を通り抜け、そのまま人気の少ない廊下を進んで廊下に面した一室に入った。
会議室だろうか。
何もない白い部屋の真ん中にドンと白いテーブルが置いてあり、パイプ椅子がその周りに配置されていた。
テーブルの上にお弁当を置くと、雄馬さんは会議室の鍵を内側から閉めた。
「これで誰にも邪魔されない」
私達は顔を見合わせて笑うと、隣合わせで座った。
こんな場所で2人きりで鍵を閉めて食事なんて。
何を考えてるんだか。
でも、なんだか普段ないシチュエーションにドキドキしていた。
ドキドキする自分がばれないように必死に堪えながら、バックからお弁当を取り出して雄馬さんに手渡す。
お弁当の蓋を開けた雄馬さんは、
「うわ、ロコモコじゃん、うまそー。遠慮なく頂きます!」
と言うと、子供みたいにお弁当にかぶりついた。
昔から上品に食べる男性より、おいしそうにがっついて食べる男性が好きだった。
見た目は上品なのに、大口開けて食べてる彼が愛おしい。
びっくりするくらい早く食べ終わった雄馬さんは、「ごちそうさま」と私に微笑むと空になった弁当箱を私に手渡した。
ハンバーグの上には目玉焼き。
きっと普段ちゃんと食べてないなら野菜不足だろうと、ブロッコリーとニンジングラッセを添えた。
ロコモコ風弁当を二つ作って弁当用バッグに詰める。
誰かにお弁当作るなんて、正直初めてだった。
おいしいって言ってくれるかなんてどうでもいい。
2人で一緒にお弁当を食べれるっていうことに胸が高鳴っていた。
待ち合わせの12時よりも随分早く到着する。
T大学病院は全国区の病院で、有名な医師がたくさんいるらしい。
土曜日だというのに、入院患者のお見舞いなのか、予約診があるからなのか、たくさんの人達が病院を出入りしている。
雄馬さんと待ち合わせの時計台のベンチを見つける。
幸い誰も座っていない。
ベンチにお弁当のバッグをそっと置いて、その横に座った。
春の花たちがベンチの周りを彩っている。
ひとひらの花びらが私の膝の上に舞い降りてきた。
ハナミズキ?
そばにはハナミズキの木が何本か植わっていて、薄ピンク色の繊細な色をした花びらが時々風に舞っていた。
そっと目をつむる。
暖かい日差しの温もりが私の背中に降り注いでくる。
気持ちいい。
その温もりを感じていたら、誰かの足音がゆっくりと近づいてきた。
雄馬さん?
そっと目を開けると、太陽光線のまぶしさで目が一瞬目がくらむ。
大きな人影が見える。
だんだんとその姿が鮮明になってきて。
「チナツ」
そこには初めて見る白衣を着た雄馬さんが立っていた。
白衣を着た雄馬さんは一層大きく見え、美しい姿が引き立っていた。
「これ、ひょっとして作ってくれたお弁当?」
ベンチに置かれたお弁当のバッグを持ち上げると、もう片方の手で私の手を掴み、
「こっち来て」
と言って病棟の方へ向かった。
てっきりベンチで食べるかと思っていた私は少し戸惑いながらも手を引かれその背中を追った。
雄馬さんは病棟の関係者専用入口を通り抜け、そのまま人気の少ない廊下を進んで廊下に面した一室に入った。
会議室だろうか。
何もない白い部屋の真ん中にドンと白いテーブルが置いてあり、パイプ椅子がその周りに配置されていた。
テーブルの上にお弁当を置くと、雄馬さんは会議室の鍵を内側から閉めた。
「これで誰にも邪魔されない」
私達は顔を見合わせて笑うと、隣合わせで座った。
こんな場所で2人きりで鍵を閉めて食事なんて。
何を考えてるんだか。
でも、なんだか普段ないシチュエーションにドキドキしていた。
ドキドキする自分がばれないように必死に堪えながら、バックからお弁当を取り出して雄馬さんに手渡す。
お弁当の蓋を開けた雄馬さんは、
「うわ、ロコモコじゃん、うまそー。遠慮なく頂きます!」
と言うと、子供みたいにお弁当にかぶりついた。
昔から上品に食べる男性より、おいしそうにがっついて食べる男性が好きだった。
見た目は上品なのに、大口開けて食べてる彼が愛おしい。
びっくりするくらい早く食べ終わった雄馬さんは、「ごちそうさま」と私に微笑むと空になった弁当箱を私に手渡した。