強引ドクターの蜜恋処方箋
運ばれてきたお酒で軽く乾杯をした。
ウィスキーに入った、かち割りの氷がカランカランと涼やかな音を響かせる。
その音を聞きながら、私もカシスオレンジを口に含んだ。
「飲んでみる?」
彼は笑いながら、ウィスキーを私の前に差し出した。
「無理です。こんな大人が嗜むお酒」
私はそっとウィスキーのグラスを彼の方へ押しやった。
「南川さんだって十分大人だろう?」
そう言って、田村さんは笑った。
確かに。
「うまいんだけどな。少しずつ慣れていかないとおいしさもわからないもんだぞ」
田村さんは優しく微笑むと、目を細めてウィスキーを飲んだ。
ウィスキーをおいしそうに飲む田村さんがとても大人に見えた。
田村さんを見てると、つくづく私の回りには今までいなかった洗練された色気のある男性だと感じる。
ユカがどれだけの女性を泣かせてきたかっていう理由がすごくわかるような気がした。
きっと、私もユカ情報がなかったらホロッと気持ちが持っていかれたかもしれないよな、なんて思いながらカシスオレンジを自分の口に流し込んだ。
その時、田村さんが切り出した。
「南川さんの人事部採用チームに最近松井雄馬って奴が入ってきただろ」
「あ、はい」
松井さんの切れ長の目を思い出して、少し緊張した。
「あいつ、僕の同期なんだ。同期の中での成績はトップクラスだ。仕事の覚えも早いんじゃない?」
「ええ、びっくりするくらい」
「雄馬は医者の血筋だからな。頭の方は間違いないんだ。しかもイケメンだし」
「イケメン?」
「雄馬が眼鏡外したとこ、見たことある?」
「いいえ」
「びっくりするくらいイケメンだよ。見る機会があれば是非見せてもらえばいい」
田村さんは冗談めかした表情を浮かべながら、ウィスキーを口に含んだ。
松井さんの眼鏡の奥の顔。
見たくないといえば嘘になる。ちょっと見てみたいような気がした。
眼鏡をかけているけど、とてもきれいな横顔をしていたから。
いずれにせよ、いつもクールな顔をして黙々と仕事をしている松井さんに向かって、眼鏡外して下さいなんてふざけたことは言える気がしなかった。
ウィスキーに入った、かち割りの氷がカランカランと涼やかな音を響かせる。
その音を聞きながら、私もカシスオレンジを口に含んだ。
「飲んでみる?」
彼は笑いながら、ウィスキーを私の前に差し出した。
「無理です。こんな大人が嗜むお酒」
私はそっとウィスキーのグラスを彼の方へ押しやった。
「南川さんだって十分大人だろう?」
そう言って、田村さんは笑った。
確かに。
「うまいんだけどな。少しずつ慣れていかないとおいしさもわからないもんだぞ」
田村さんは優しく微笑むと、目を細めてウィスキーを飲んだ。
ウィスキーをおいしそうに飲む田村さんがとても大人に見えた。
田村さんを見てると、つくづく私の回りには今までいなかった洗練された色気のある男性だと感じる。
ユカがどれだけの女性を泣かせてきたかっていう理由がすごくわかるような気がした。
きっと、私もユカ情報がなかったらホロッと気持ちが持っていかれたかもしれないよな、なんて思いながらカシスオレンジを自分の口に流し込んだ。
その時、田村さんが切り出した。
「南川さんの人事部採用チームに最近松井雄馬って奴が入ってきただろ」
「あ、はい」
松井さんの切れ長の目を思い出して、少し緊張した。
「あいつ、僕の同期なんだ。同期の中での成績はトップクラスだ。仕事の覚えも早いんじゃない?」
「ええ、びっくりするくらい」
「雄馬は医者の血筋だからな。頭の方は間違いないんだ。しかもイケメンだし」
「イケメン?」
「雄馬が眼鏡外したとこ、見たことある?」
「いいえ」
「びっくりするくらいイケメンだよ。見る機会があれば是非見せてもらえばいい」
田村さんは冗談めかした表情を浮かべながら、ウィスキーを口に含んだ。
松井さんの眼鏡の奥の顔。
見たくないといえば嘘になる。ちょっと見てみたいような気がした。
眼鏡をかけているけど、とてもきれいな横顔をしていたから。
いずれにせよ、いつもクールな顔をして黙々と仕事をしている松井さんに向かって、眼鏡外して下さいなんてふざけたことは言える気がしなかった。