強引ドクターの蜜恋処方箋
10章
久しぶりに水谷先生と母に会う日。
雄馬さんは日曜日だというのに、午前中のオペに立ち会うといって朝早くから起きていた。
午後からは大学内で水谷先生の論文発表を聞いて、そのまま水谷先生と校内で待ち合わせしているらしい。
相変わらず、息つく暇もないくらい忙しい雄馬さんだったけど、疲れを微塵も感じさせない爽やかな笑顔で「おはよう」と言いながら、まだベッドで横になっていた私の頬にキスをした。
「あ」
彼の柔らかい唇で目が覚める。
今日はちゃんと雄馬を見送ろうと思ってたのに、二度寝してしまったみたい。
ゆっくりとベッドから起き上がろうとしたら、
「起きなくていいよ。今日は日曜だしゆっくり寝てろよ。じゃ、17時に病院前のカフェに水谷先生と落ち合った後向かえに行くから」
「うん、よろしくお願いします」
雄馬さんは、寝室のカーテンをそっと捲り、空を見上げながら、
「今日は寒くなるみたいだな」
とつぶやくと、クローゼットからブラックのダウンジャケットを取り出して袖を通した。
それから、濃紺のカシミヤのマフラーを無造作に首に巻きつける。
「今日は雪が降るかもしれないって。車の運転気をつけてね」
寝室のから出ようとする雄馬さんに慌てて声をかける。
「ああ。気をつける。チナツも転んで尻餅つくなよ」
雄馬さんは、マフラーで半分隠れた顔で笑った。
「そんなドジなまねしないから安心して下さい」
私も笑いながら、掛け布団を胸までかけた状態で雄馬に手を振った。
「いってきます」
雄馬の声が廊下に響く。
玄関の扉が閉まる音が聞こえた。
行っちゃった。
最近、日曜も仕事が多くなってきたんだよね。
でも、夜、どんなに疲れて帰ってきてもちゃんと私のこと愛してくれる。
世のお医者さんってハードワークなのに、よく病気になって倒れたりしないわ。
だからお医者さんって仕事に就けてるのかもね。
選ばれた人しかなれない仕事なのかもしれない。
私はベッドから両足を下ろしてスリッパを履くと、ベッド脇に置いてあったカーディガンを羽織り洗面所へ向かった。
雄馬さんは日曜日だというのに、午前中のオペに立ち会うといって朝早くから起きていた。
午後からは大学内で水谷先生の論文発表を聞いて、そのまま水谷先生と校内で待ち合わせしているらしい。
相変わらず、息つく暇もないくらい忙しい雄馬さんだったけど、疲れを微塵も感じさせない爽やかな笑顔で「おはよう」と言いながら、まだベッドで横になっていた私の頬にキスをした。
「あ」
彼の柔らかい唇で目が覚める。
今日はちゃんと雄馬を見送ろうと思ってたのに、二度寝してしまったみたい。
ゆっくりとベッドから起き上がろうとしたら、
「起きなくていいよ。今日は日曜だしゆっくり寝てろよ。じゃ、17時に病院前のカフェに水谷先生と落ち合った後向かえに行くから」
「うん、よろしくお願いします」
雄馬さんは、寝室のカーテンをそっと捲り、空を見上げながら、
「今日は寒くなるみたいだな」
とつぶやくと、クローゼットからブラックのダウンジャケットを取り出して袖を通した。
それから、濃紺のカシミヤのマフラーを無造作に首に巻きつける。
「今日は雪が降るかもしれないって。車の運転気をつけてね」
寝室のから出ようとする雄馬さんに慌てて声をかける。
「ああ。気をつける。チナツも転んで尻餅つくなよ」
雄馬さんは、マフラーで半分隠れた顔で笑った。
「そんなドジなまねしないから安心して下さい」
私も笑いながら、掛け布団を胸までかけた状態で雄馬に手を振った。
「いってきます」
雄馬の声が廊下に響く。
玄関の扉が閉まる音が聞こえた。
行っちゃった。
最近、日曜も仕事が多くなってきたんだよね。
でも、夜、どんなに疲れて帰ってきてもちゃんと私のこと愛してくれる。
世のお医者さんってハードワークなのに、よく病気になって倒れたりしないわ。
だからお医者さんって仕事に就けてるのかもね。
選ばれた人しかなれない仕事なのかもしれない。
私はベッドから両足を下ろしてスリッパを履くと、ベッド脇に置いてあったカーディガンを羽織り洗面所へ向かった。