死なないヒト

何の意思も感じない、冷たい握手だった。

「では、また会いましょう。」

マアアートはそう告げると、レールと共にカフェを出て行った。

「…。」

トラムはレールと握手した手を動かした。トラムの感覚が予感していた。

「自分がアダムなら、ドクターがイブか?」

トラムは嫌な予感を拭おうと、独り言を言った。そして、吹き出した。

「ドクターはきっと、こう言うだろう。『神』だと。」

トラムは窓の下に見える、マアアートとレールの後姿を見送った。



< 10 / 10 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop