紅の葬送曲
室内の構造は私の部屋と一緒で、アパートで言うワンルームだ。
ドアを開ければすぐに廊下あり、そこを進めば左手に小さなカウンターキッチンと備え付けのバーカウンター。
キッチンを抜ければ下に降りる数段の階段があり、そこを降りれば正面には窓があって右手には壁面収納を兼ねたテレビ台とその向かいにはソファーとテーブルがある。
そして、その奥にベッドが置かれている。
うん、独身貴族みたいな寮だよね。
まあ、人によって家具の配置は違うみたいだけど、基本的には構造は一緒だ。
「寿永隊長?」
夕方で薄暗くなりつつある部屋の中を進み、彼がいるであろうベッドの方へ向かった。
「あれ?」
でも、そこに彼の姿はなかった。