紅の葬送曲
何処に行ったんだろ……?
ふと、水が流れる音が耳に届いた。
その音がするのはベッドが置かれている場所の脇にあるトイレとバスルームからだ。
私はベッドのサイドテーブルに持っていたトレイを置くと、トイレとバスルームに続くドアを開けた。
そして、ようやく探していた彼を見つけた。
「寿永隊長!」
でも、見つけた彼はぐったりとした様子でバスルームの壁に寄りかかり、服を着たままシャワーを浴びていた。
私は靴と靴下を脱ぎ捨てると慌てて彼に駆け寄る。
「冷たっ!水!?」
寿永隊長が浴びていたのはお湯ではなく、水だった。
私も濡れながらシャワーを止めると、寿永隊長の方を見た。