紅の葬送曲
──簡単に説明するとこんな感じだ。
もっと詳しく言うとなると、かなり長くなるから割愛。
それにしても……。
「呪いの話が乗ってないな……」
ページを捲っても捲っても《呪い》という単語は見当たらない。
三名家や切碕の名前を出ているけど、肝心な知りたいことが乗っていない。
「違う資料なのかな……ん?」
ふと、気になるページが見つかってページを捲る手を止めた。
そこには切碕が書いていたというノートのことが書かれていた。
切碕は大勢の女性を殺していたが、その殺害方法は微妙に異なるらしい。
それを黒いノートに自分の血で記したモノを寿永が厳重に保管していた。
が、それは20年前のとある日に忽然と何処かへ消えてしまったらしい。