紅の葬送曲
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「……話長っ」
隣で京が欠伸を堪えながらボソッとそんなことを呟いた。
私はそんな京を肘でつついて睨んだ。
「京、静かに。あと、欠伸は止めなさい」
「欠伸してないもん、堪えてたもん。それに、私だけじゃないもん」
唇を尖らせる京の言うとおり、周りの人達も眠そうだ。
今は入職式の最中で来賓の挨拶が異様に長く、眠気を誘う。
でも、此処で寝たら終わりだ。
私は眠くなりつつあって落ちそうになる意識を根性で堪える。