紅の葬送曲
目の奥が熱くなると、自然と溢れてきた涙が頬を伝う。
「琉ちゃん……」
『まーた泣きべそかいてる。泣くなよ、お前はもう立派な警官……いや、それ以上なんだ。胸を張れ』
琉ちゃんは呆れながらも優しい言葉をくれる。
……もう考えるのはよそう。
「ありがとう、琉ちゃん……」
お礼を言って琉ちゃんからの電話を切ると、見終わった資料を書庫に戻しに行くため立ち上がった。
知りたい真実とは違った真実を知ってしまったけど、それももういい。
翔鷹にいれば、全てが分かる。
彼の体のことも呪いのこともお父さんのこも全て……。
「よっしゃー!明日から気合い入れて頑張るぞー!」
右手を上に突き上げて大声で叫ぶと、私は書庫までの廊下をダッシュする。
その後、大声で叫んだ挙げ句に廊下をダッシュした私が寿永隊長に大目玉を食らうのは言うまでもない。