紅の葬送曲


──真実は残酷だ。




隠していた訳でも隠されていた訳でもない。




私が知らずに、忘れていただけだった。




このまま忘れてしまっていた方が良かった。




でも、世の中は私が知らないことを許さなかった。





真実を明かされたときの人々の目が怖い。




誰も私の味方にはなってくれない。





生きるのが怖い。





誰か私を殺して──。





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