紅の葬送曲


私達もその後を追い掛けた。




「使えそうな奴を見繕っても、却下するのは凌じゃん」




ふと、隣を歩いていた小鳥遊君がため息を吐いた。




「え、そうなの!?」




その言葉を聞いて驚いた私は小鳥遊君の方を勢いよく見た。





私の反応が面白かったのか、小鳥遊君は「ぶはっ!」と吹き出した。





「ぷくく……浅井ちゃんってば面白すぎる……」




「……私は小鳥遊君の笑いのツボが分からない」





「ごめんごめん」





肩を震わせながら笑っていた小鳥遊君をジト目で睨んでいると、彼は本当に申し訳なく思っているのかと思うほど軽く謝ってきた。






でも、軽そうなノリの顔はすぐに困ったような顔に変わった。





「……凌は優しくて不器用な奴だから自分で守れる位の人しか手元に置かないんだよ」





「え?」




「父さんに頼んで翔鷹に人を増やしてもらうって言ってるけど、実際はそうしない。人数がいると守れないからね」




……つまり、翔鷹本部が人手不足なのは彼が自分の手で守れる人数だから?






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