紅の葬送曲


「──では、諸君。今後の活躍に期待していますよ」




それから五分後位に来賓の挨拶がようやく終わり、司会進行の人も新入職者もやっと終わったというように息を吐く。





私は完全に舟を漕いでいる京の肩を叩いて起こした。





さすがに此処で寝るのはまずい。




舟を漕いでいた京だけど、来賓の挨拶が終わったことを知ると背筋をピンと伸ばした。




まあ、今さらなんだけどね。




友人のこれからが不安になりながらも人が出入りしているステージを見た。





「──続きまして、本庁を代表しまして特別国家維持部隊翔鷹隊長からの挨拶です」




翔鷹……?





会場に流れたアナウンスに疑問が過った。





此処は普通であれば、今の警視総監である小鳥遊修造警視総監が挨拶する所だ。





でも、確かに司会者は≪翔鷹≫と言った。





国の治安を守る国家最強と呼ばれるその部隊の名を──。




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