紅の葬送曲
「……何か寿永隊長って本当に特別な人なんですね。最強で頭良いし、家柄に容姿も完璧。しかも、左利き」
ふと、思ったことを口にしたら小鳥遊姉弟は同時に吹き出した。
笑い声は静かな空間のカフェという事で必死に堪えているが、明らかに二人は笑っている。
「な、何で笑うんですか……っ!?」
「す、すみません……。まさか、そこで左利きって来るとは思わなくて……」
「別に珍しくもないのに、補足に付け加えるとか……」
涙目になりながら肩を震わせる二人はツボが一緒らしい。
さすがは姉弟、性格の上では似てないと思ったけど似てるわ。
「だって、左利きってかっこ良くないですか?私、憧れでしたもん!」
「左利きは左利きで不便みたいだよ。だから、凌はたまに右も使ってる」
「まさかの両利き!?それも憧れてた!」
羨ましすぎるよ、寿永隊長!