紅の葬送曲
すると、テーブルに置いてある私のスマホに着信が入った。
ディスプレイを見ると、そこには寿永隊長の名前が表示されている。
此処で出ちゃっても良いかな?
「凌様でしょう?早く出ないと、叱られますよ」
小鳥遊さんは笑いすぎて出てきた涙を拭いながらスマホを指差す。
叱られるのはごめんだ。
「はい、浅井です」
『今、何処にいる?話は済んだ、戻ってきて良いぞ』
「分かりました。すぐに戻ります」
通話を切ると目の前の二人は既に帰り支度を始めていて、小鳥遊さんに限ってはレジで持ち帰りの追加オーダーを頼んでいた。
「凌も此処のドリンクとケーキ好きだからね。いたのがバレると拗ねるから買って帰ろう」
寿永隊長にも意外と可愛い一面があるんだ。
小鳥遊さんが持ち帰りの袋を受け取ったのを確認すると、店を後にした。