紅の葬送曲
「寿永隊長……?」
名前を呼んだけど、彼は私の方を見てくれない。
代わりに、紅斗が私を見つめてくる。
そして、私の方へ手を差し出してきた。
「やっと見つけられた。さぁ、僕と一緒に行こう」
「だから、私を何で欲しがるの!?私は──」
「兄妹が一緒にいることがおかしいことかな?」
紅斗の言葉に、頭を殴られたような感覚に襲われた。
今、何て……?
「私と紅斗が兄妹……?」
声が震える。
体が震える。
呼吸が乱れる。