紅の葬送曲
すると、寿永隊長は大きく一歩を踏み出した。
と思えば、私の首に手をかけてそのまま私をベッドに押し倒した。
私を見下ろす彼の目は冷たかった。
「なら、望み通り殺してやる。お前は父さんの仇の娘だからな」
父親の仇が討てて、紅斗の求めるものを一つ壊せる。
そんな絶好の機会を彼は逃さない。
「どう死にたい?このまま首を絞めるか?それか、胸を貫いてやるか?いや、デモ隊に突き出して、殴られ蹴られ嬲られてボロボロになってからにするか?」
「お好きなように……」
寿永隊長の気が済むようにして欲しい。
私の何ににもすがらない言葉に、彼はスッと目を細めた。
首にかかる彼の手の先がピクリと動く。
殺し方を決めたらしい。