紅の葬送曲


記憶はないけど、寿永隊長のお父さんの死に私が関係していることに間違いはない。





「死んで詫びることも出来ず、申し訳ありません……」




「まったくだ。だが、お前が生きることは父さんが望んだことだ。だから、もう良い」




寿永隊長は本当にお父さんのことが好きだったんだと思う。




そうじゃなかったら、自分の体が呪いに蝕まれているのに最前線で紅斗達と戦おうとしない。




「俺は仕事に戻る。お前はもう休め」





彼がベッドから立ち上がるとベッドがギシリと軋んだ。





「あの、寿永隊長……」





私は部屋から出ていこうとする彼を呼び止めた。





「何だ?」




仕事に戻ろうとして呼び止められ、彼は不機嫌そうに私の方を見た。





「呪いのことだけ教えてもらっても良いですか?」





ある程度記憶を思い出し、身の上を知ったとは言え、呪いのことに繋がるものはない。





なら、彼に聞くしかない。





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