紅の葬送曲
「国家最強部隊の隊長に加えて容姿端麗で
日本を牛耳る三名家、寿永の跡取り!あぁ、見初められたい!王子様と結婚したい!」
自分の世界に入ってしまっている京はまるでお姫様になったかのように、クルクルと回っている。
てか、王子様って……。
「紅緒もそう思わない?玉の輿だよ、最高じゃない!?」
「いや、私は別に……。それに、あの人のことかっこいいとは思うけど、私は何か怖かったな」
「怖い?」
「何て言うのかな、住む世界が違うって言うか──」
「キャー!」
ふと、私の言葉を黄色い悲鳴が遮った。
何事かと黄色い悲鳴が聞こえた方を見ると、そこには京が言う王子様が悠然と歩いてきた。
彼の隣には今回私達の同期の中でたった一人だけ翔鷹に配属された小鳥遊江君がいる。
もう一人女の人が隣にいるけど、誰かは分からない。
でも、何処と無く小鳥遊君に似ているように感じた。