紅の葬送曲
「お前が思っている通り俺が血を吐いたことと体の痣は切碕の呪いに関係している。俺達が受けている呪いは短命……」
それ以上は聞くべきではないと私の中の本能がざわついている。
聞いてしまえば、もう後悔しかなくなる。
そう直感的に思った。
でも──。
「俺は……」
「凌は……」
「「あと一年も生きられないんだよ……」」
彼と小鳥遊君の言葉が重なった。
それと同時に、頭を鈍器で殴られたような感覚がした。
「な、んで……」
「さぁな。原因不明の不治の病……そう診断された。呪いで死ぬなんて信じられないからそうこじつけたんだろうな」
彼は肩を竦めると、壁に寄り掛かった。
「俺は別に死ぬのは怖くない。ただ、まだ生きられる時間が長い詩依や志摩には生きて欲しい。だから、呪いを解く方法を見つけ出す」
覚悟が込められた意思の強い眼光が私は捉える。