紅の葬送曲
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「ひ、寿永隊長……」
「何だ?」
「帰って良いですか?」
私は目の前の建物の大きさに怖じ気付いてしまった。
目の前にあるのは高い塀と豪奢な門、そしてその塀の向こうにある洋館。
その規模は私が知っている一般家庭の家の大きさとは明らかに違う。
「駄目だ」
「ほ、ほら、私の服装は寿永家に入るには場違いですし!」
うん、そうだ!私の服装は場違いだ!
私の今日の服装は京とカフェに行くだけだったから本当に手抜きだ。
ボーダーのニットにアンクル丈のジーンズにパンプス……、無理でしょ!?