紅の葬送曲
「これは……」
メイドの胸元には小型の心拍数を測る機械がついていて、その機械のコードは彼女の体についている時限爆弾に繋がっている。
彼女の心拍数が上がると刻む時間が減っていく。
つまり、彼女の心拍が止まらない限り爆弾の時間は止まらない。
彼女を殺さない限り、爆弾を解除できないのだ。
「恐らく、外しても爆発する仕掛けだろうな…。さて、どうするかな……」
「凌、そのメイドを殺しなさい」
悩む寿永隊長に、彼の母親はメイドを殺すことを命じた。
「お、奥様……っ!?」
「貴女が死ねば爆弾は止まる。そうすれば、皆死なずに済む。それで解決よ」
「そんな……っ」
彼女の言葉に、メイドは顔を青ざめて涙を流す。
このメイドは何も悪くないのに、そんな言われ方はない。
私は拳を固く握り締め、隣にいる寿永隊長を見た。