紅の葬送曲
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「先ほどは失礼しました。少し気が動転してまして……」
私は頭に出来たコブを擦りながら玖下さんに頭を下げる。
「少しじゃないだろう。あんな喧しい奇声出しておいて……」
寿永隊長はソファーからデスクに戻っていて、椅子の肘置きに頬杖をついて呆れた目で私を見ていた。
確かに奇声でしたけども、思い切り拳骨落とすことなくない?
めっちゃ痛いんですけど。
「……申し訳ありません」
頭を垂れる私の頭を玖下さんは優しく撫でてくれる。
「何か20歳以上歳が離れてるから妹というより娘って感じがするな」
20歳以上?
つまり、玖下さんは40代!?
見えない!30代にしか見えないよ!?
そういえば、切碕は遺伝子の欠陥からか20歳位の見た目から変わらなかったと資料に書かれていた。
その遺伝子を継いでるのかな……?