紅の葬送曲
「着いたか。今日は此処までにして上に行くぞ」
寿永隊長は竹刀を壁に立て掛けると、筋トレ室を地上に上がる階段を登っていく。
私も上着を持つと小鳥遊姉弟と彼の後を追いかけた。
階段を登って執務室に向かうと、そこには四人の男女が立っていた。
皆翔鷹の制服を着ているけど胸に付いた今にも飛び立ちそうに翼を雄々しく開いた鷹──、翔鷹のエンブレム。
そのエンブレムを囲う縁の色が私が着ている制服とは違っていた。
この人達は誰だろうか?
「浅井、紹介する。彼らは翔鷹の支部の隊長達だ」
翔鷹の支部の隊長……。
どおりで強そうに見える訳だ……。