紅の葬送曲


翔鷹の支部は全国に設置されている。




47都道府県の支部には隊長が一人必ずいて、彼らはそのうちの五人なのだろう。




それにしても、若いな……。





目の前にいる各地の隊長達は私とほとんど変わらないか上か位の若さだ。





「右から矢賀奏多、神原妃、楠秀生、芦葉侑吏。何処の支部かはそのうち分かるから良いだろう」




眼鏡を掛けているのが矢賀さん、紅一点の神原さん、口元に黒子があるのが楠さん、ぼーと何処かを見つめているのが芦葉さんだ。





「その子が噂の?可愛いねー、寿永隊長の補佐官辞めて俺の補佐官にならない?」




「矢賀っち、また口説いてる!てか、小鳥遊ちゃんが補佐官外れたと思えば、何でまた女の子の補佐官!?何であたしじゃないの!?」




「うるさい奴らだな、相変わらず。動物園の猿じゃないんだから静かにしたらどうだ?」





「楠君は相変わらず毒舌……。あー、何か飛んでるけど、誰も見えてない感じ?」





……何か個性が強いな。




私が自己紹介しなくても分かっているところを見ると、私のことは把握しているらしい。




いや、むしろ把握していない方がおかしいんだけど……。




てか、芦葉さん……もしかして、他の人が見えないものが見える人?




え、この部屋にいる感じなの?





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