紅の葬送曲
「……こんな奴らだが、腕は確かだ。性格や言動には難アリだがな」
芦葉さんの言動に動揺していると、寿永隊長が呆れたように四人を見ていた。
た、確かに個性が強いけど、隊長を務めてるくらいだから優秀なのだろう。
「それで、呼び出した理由だが──」
「口説いてないよー!俺は純粋に補佐官になって欲しいだけだから」
「小鳥遊ちゃんの時も言ってたよね!?この女たらし!寿永隊長、この子よりあたしの方が使えますよ!」
「猿よりうるさい奴らだな」
「あ、消えた。まあ、いっか」
寿永隊長が四人に話しかけようとするが、彼らは各々に会話をしている。
誰も寿永隊長の話を聞こうとしていない。
……隣の寿永隊長の方から殺気が感じる、怖くて見れないけど。
「そちらの方々ー、そろそろ凌の話聞かないと凌がキレるよー」
すると、小鳥遊君が寿永隊長の殺気を感じ取り、彼らに声をかけた。
小鳥遊君の声に、四人は肩をびくつかせて恐る恐る彼を見る。
「……喧しいぞ、お前達。それ以上余計なことを話して俺の話を聞かないつもりか?」
寿永隊長は黒い笑みを浮かべながら親指を首の辺りに持っていき、そのまま横へスライドする。
「……クビにしてやろうか?」
「「「「!?」」」」
寿永隊長の怒号と四人の悲鳴が響き渡ったのはこの後すぐだった。