紅の葬送曲


「……こんな奴らだが、腕は確かだ。性格や言動には難アリだがな」




芦葉さんの言動に動揺していると、寿永隊長が呆れたように四人を見ていた。





た、確かに個性が強いけど、隊長を務めてるくらいだから優秀なのだろう。




「それで、呼び出した理由だが──」




「口説いてないよー!俺は純粋に補佐官になって欲しいだけだから」




「小鳥遊ちゃんの時も言ってたよね!?この女たらし!寿永隊長、この子よりあたしの方が使えますよ!」




「猿よりうるさい奴らだな」





「あ、消えた。まあ、いっか」




寿永隊長が四人に話しかけようとするが、彼らは各々に会話をしている。





誰も寿永隊長の話を聞こうとしていない。





……隣の寿永隊長の方から殺気が感じる、怖くて見れないけど。




「そちらの方々ー、そろそろ凌の話聞かないと凌がキレるよー」





すると、小鳥遊君が寿永隊長の殺気を感じ取り、彼らに声をかけた。




小鳥遊君の声に、四人は肩をびくつかせて恐る恐る彼を見る。






「……喧しいぞ、お前達。それ以上余計なことを話して俺の話を聞かないつもりか?」




寿永隊長は黒い笑みを浮かべながら親指を首の辺りに持っていき、そのまま横へスライドする。





「……クビにしてやろうか?」





「「「「!?」」」」




寿永隊長の怒号と四人の悲鳴が響き渡ったのはこの後すぐだった。







< 275 / 541 >

この作品をシェア

pagetop